AMNESIAとつながった
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あらすじ
パーティー会場に降り立った切たち。客たちからの好奇の眼差しを向けられ戸惑う二人の目に飛び込んできたのは、場内にある舞台で行われている演劇だった。黒髪、魔女、女王―。舞台に見入る中、二人はこの劇が祝の先祖の話だということに気づく。そんな二人のもとへホテルマンが近づき、告げる。「お二人には余興の手伝いをしてほしいとのことです」。
今回は髪の女王達の過去の話を劇に擬えて描かれたり、問答があったりという回です。
パーティに参加した切たちの元に再三現れる正義。どうやら決着が付けたいとのことで、しつこいようですが襲いかかってきます。とことで、今回はバトル回です。
ルールブックの効果でほぼ逝きかけの切くん。途中で足を痙攣させたりと中々にこだわった描写が成されましたね。
まぁ本当ならやれ目玉やら舌やらが飛び出るわいろんな液体が出るわでとても電波に乗せられるものじゃないらしいですけどね。そんなものを見せられても誰も得をしないので問題ありません。
しかもこの時はまだ死んでなかったみたいなので全く問題ないですね。
そしてそのまま人間離れした図太さを疲労する切。とはいえ首吊りは10数分くらいは意識があるみたいなので、割りと常識の範囲内なのかもしれません。
でもまぁあれだけハッスル動けてたり、そもそも足が床に付いたりしてたり、ちょくちょく息はできたのではという疑問もありますが、紐が首全体を絞めていたという仮定でいきましょう。
仮定ついでに、ハッスル動けたのも火事場の馬鹿力だろうし、そもそもこの手の作品で徹底的に現実的にはうんたらとか言い出したらキリが無いのでやめましょう。切だけに。
正義の掛けた「お前ただ髪切りたいだけだろ」という問答に対して完全に否定しないところがなんというか、切くんらしいというか、最早この作品らしい。
そもそもをして性的嗜好という意味での変態性というのは、人間形成の上で切っても切れないもの。そしてまた、それを否定することは間接的に祝への感情や思い出を否定する事にもつながる訳であり、また彼自身が当然そういった下心はあるはずですので、結果として彼は正義の問答を否定できない。
もっと言うと、「髪を切りたい」という趣向の否定は、究極のところ灰村切というアイデンティティそのものの否定と同義でもあるはず。だからこそ灰村切が灰村切である限り、ルールブックの縄は決して解けないし、もしそれが解けたとしたら、今度は彼の人間性の死に繋がっている。そうして考えると、やっぱりこのルールブックの性能ちょっと壊れすぎんよ~。
正義が切に言った「お前と俺は似たもの同士」という言葉は、これらの前提があると面白い。
彼が掲げる正義とは、つまるところが毒をもって毒を制すというスタンス。要は独善であり、人を裁くという行為そのものに酔っている。
この二人のやり取りで、今作のテーマ性のようなものが垣間見えますね。彼らキリンググッズの使い手は「正義の味方」ではなく、自分の為なら他者すらもたやすく犠牲にする悪の意志を持つ「利己主義者達」。それは決して社会的に正当なものではないけれど、自分自身の美学の為の戦い。自己の根本的な醜さ、汚さを自分で全肯定する為の戦い。
ただそうなると、全体的にもっと血生臭くて良いわけで。変に気取ってるあたり、全くの的外れかもしれませんね。そんなことより正義の前髪がものっそい気になる。
そんな訳で第8話でした。切くんの敗北に見せかけておいてからの正義敗北ルートへ。当然切くんは主人公補正で死にませんが、あの状態からどうやって助かった事になるのかは少し気になるところですね。あと正義くん煽り耐性無さすぎんよぉ。
次回「リリカル・ナイト・フライト」
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